テレビドラマの話が多いですが、他にアニメ、ゲーム、コンピュータ、格闘技等、様々な話題を取り上げます。

ゲノム編集食品、大丈夫? (ウェークアップ!ぷらす より) 他

スポンサードリンク

本日の話題も『ウェークアップ!ぷらす』から。

www.ytv.co.jp

 

今日の放送内容の中からピックアップするのは、

「食卓に変化も? 最先端”ゲノム編集食品”の功罪」

 

辛坊治郎「あまり知られていないかもしれませんが、実は遺伝子を改変する「ゲノム編集」を使った食品の販売が、今月日本で解禁されました。私たちの食卓にどんな変化をもたらすんでしょうか?」

私も知りませんでした・・・

 

  

ゲノム編集食品の衝撃 肉厚マダイを生む技術とは

 

近畿大学の水産研究所。我々が向かったのは、マダイの養殖実験場だ。直径3mの水槽の中を覗いてみると、丸々とした肉付きがいいマダイが泳いでいる。

 

近畿大学 水産研究所 家戸敬太郎教授

「頭の肉、ほっぺたの肉が膨らんでいるので、目がくぼんだようになります。筋肉が盛り上がって、全体的に丸くなるという特徴がある。」

 

この魚、ゲノム編集が用いられたマダイ。普通のマダイと比べてみると違いは歴然。

 

家戸「マダイという魚は、可食部ですね、食べられる部分の割合が4割くらいしかない。この魚だとその可食部分がかなり、2割程度増えている。」

 

ゲノム編集された肉厚マダイが誕生したのは2016年。養殖マダイの研究で50年以上に亘る近畿大学の技術の蓄積が活きた。

 

肉厚のマダイはどうやって生まれたのか?

まず、養殖のマダイから、精子卵子を取り出す。そして体外受精を行い、受精卵に遺伝子編集酵素を注入する。このとき受精卵の細胞では、酵素がマダイの遺伝子の特定部分を狙って切断、機能を抑制する。

 

家戸「元々、人間も魚も持っている遺伝子ですが、筋肉が増え過ぎないように抑える働きをする『ミオスタチン』という遺伝子、その働きをゲノム編集によってストップさせている。」

 

話題のゲノムは、8億個の塩基を持つ。その中のたった14個の塩基を切断しただけで、肉厚のマダイが生まれるのだ。

このピンポイントの編集を可能としたのが、2012年にアメリカで開発された「クリスパー・キャス9」というゲノム編集ツール。食品だけでなく、医薬品の分野でも広く活用されている。

 

家戸「ターゲットを決めて(遺伝子を)操作できる部分が本当に画期的だと思います。」

 

ゲノム編集の卵 「アレルギーでもOK」

ゲノム編集食品にはこんなものも。

 

広島大学大学院 統合生命科学研究科 堀内治幸教授

「こちらが、卵アレルギーを含めた、ゲノム編集のニワトリの研究を進めている鶏舎になります。」

 

なんと、卵アレルギーの人でも食べられる卵の研究が進められているのだ。

 

堀内「卵アレルギーが日本人で最もアレルギーの原因として多い。まだ自分で、卵が入っているから食べたらダメだということがわからない子ども、幼児に(アレルギーの)頻度が高い。

私は子供の頃、かかりつけ医から「この子は卵アレルギーがあるから、生卵を食べさせちゃダメだ。」と言われたので親が食べさせないようにしていたが、大人になってからアレルギー検査をしたら「卵」は出なかった。初めて食べた卵かけご飯は最高に美味しかったw

 

どうやって作られるのか。ニワトリの精子卵子の元となる細胞に、アレルギー物質を作れなくするゲノム編集を加える。そうしてできた細胞を卵に入れて孵化させ、成長したオスとメスとを何度かかけ合わせると、アレルギー物質が少ない卵が出来上がるのだ。

食品自体が持つ問題もゲノム編集によって解決。確実なニーズが見込めることから、商品化もそう遠い話ではないという。

 

ゲノム編集食品開発競争 「遺伝子組み換え」との違いは?

近年、ゲノム編集を用いた食品の開発競争が激化。日本の研究機関や大学では、腐りにくいトマトや、毒がないジャガイモなど、ゲノム編集食品が次々に誕生している。

遺伝子に手を加える食品としては、大豆やトウモロコシなどの遺伝子組み換え作物が既に存在しているが、ゲノム編集食品との違いは何なのか。

遺伝子組み換え作物の場合は、元の作物の遺伝子に、他の生物が持つ遺伝子を外部から持ってきて組み込む。ゲノム編集食品では、元の動植物の遺伝子そのものを切る。遺伝子組み換え作物でのこの変化は自然界では起こりえない一方、ゲノム編集食品での変化は、自然界で起きている変異と同じであるという。

 

ゲノム編集食品 安全性は? 表示なぜ義務でない?

今月1日から厚生労働省は、ゲノム編集食品販売について新しい制度の運用を開始した。

ゲノム編集食品の開発者は、まず厚生労働省に事前相談を行い、問題が無ければ届け出をするだけで、消費者に向けて販売が可能となる。

しかし、この運用に消費者団体などが反発。ゲノム編集技術には、遺伝子に意図しない変異をもたらすリスクがあるためだ。

さらに、ゲノム編集食品を流通させる際の表示のルールを決める消費者庁は、

 

伊藤消費者庁長官「ゲノム編集技術応用食品については、ゲノム編集技術を利用したかどうかの確認が科学的に今検証できないので、いわゆる食品表示基準の表示の対象とはしないということとしている。」

 

販売される商品がゲノム編集食品かどうか表示の義務はない。ゲノム編集技術を使ったかどうか、なぜ科学的に検証できないのか? 専門家は、

 

徳島大学 生物資源産業学部 刑部祐里子准教授

「私たちは、結局(ゲノム編集食品と従来の食品は)変わらないと思っています。(品種改良の)技術だけが違っていて。」

 

例えば、紫外線による突然変異やかけ合わせる交配など、従来の品種改良で生まれた甘く病気に強いトマトと、ゲノム編集で作った同じ品質のトマトのゲノムを比較しても、その違いが今の技術では判別できないという。また安全性も変わらないと言われている。

 

食糧問題の解決策に?

刑部「大きく変わる点は、スピードアップとコストや労力が減るということ。従来の品種改良というのは、長い年月、10年とか20年スパンで一つの品種を作っていきますし、クリスパー・キャス9の場合は10分の1で済むということになります。」

 

この品種改良のスピードが、将来の人口増による食糧問題の解決策の一つになるという。

 

刑部「世界では気候変動で、環境の良くない所で農業をしなければならない方々がたくさんいます。そういうところで役立てられるような農作物、ゲノム編集技術を確立したい。」

 

人類を救うかもしれないゲノム編集食品は、研究室から食卓へ。日本の食をどう変えていくのだろうか?

 

問われる安全性 法整備は?

辛坊「既に世界でゲノム編集食品というのはご覧のように、腐りにくいトマトであるとか、栄養価が高い大豆等々、いくつも開発が進んでおります。で、こういう食品に対しての規制というのは国によって違いまして。

EUなどは、遺伝子組み換えと同じように国が行う安全性の審査が必要で、表示するかどうかは各国の判断。VTRの中にもありましたように、遺伝子組み換えというのは他の生物から遺伝子を組み込む、ゲノム編集というのは既にその生物が持っている一部の遺伝子を切り取るなどする、自然に起きる品種改良と同じだからということで、日本は従来の品種改良と区別できないということで表示義務がない。アメリカはそもそも国が行う安全性の審査も必要ないと。

日本の扱いで言うとアメリカよりはちょっと厳しいけれども、アメリカに近い扱いという状況なんですが。」

 

伊藤聡子(フリーキャスター)

「今後の食糧の課題を解決するには非常に一つの光明かなという感じはするんですけれど、ただ消費者も賛成できる人と、どうしても抵抗があるっていう人はいると思うんですよね。なので、選べるような状況にはしていただきたいなとは思いますね。」

 

野村修也(中央大法科大学院教授)

「今回消費者が懸念しているのは、遺伝子を切り取る部分は予定外のところが切り取られてしまうリスクがあるんじゃないかっていう議論がよくあるわけですよね。これは品種改良の時にも起こっていて、何回も交配することによって回収していくというやり方を今とっているわけですけれども、そういう点がもしあるんだとすればそこの懸念をどうやって縮小していくのか、さらには今表示の話もありましたけども、安全性に問題がないんであれば、私たちのこの食品はゲノム編集でやりましたということを堂々と表示できるような仕組みが必要だと思います。」

 

橋本五郎(読売新聞特別編集委員

「表示はするべきだと思います。思いますけどもすごく難しいのは、根本的な『自然とは何か、人工とは何か。』という問題、そして我々が考える『自然の摂理』といいますか、自然の中には薬もあれば毒もある、そういうものを見分けながらやっていくという、これは純粋培養的にだんだんなってしまうことの、あれ?怖くないかなぁという感じもあるんですよね。」

 

辛坊「なぜ表示の必要がないかというと、製品、商品を遺伝子レベルで見たときに従来の品種改良と区別がつかないからということなんだけども、作っている人はわかってるのだから、それについて表示をするのはマナーではないかという気もしますけどね。」

 

野村「おそらく消費者庁が言っているのは、義務にしてしまうと義務違反をしているかどうかが区別できないので、法律で義務付けるのは難しいという意見なんですよ。だから結局のところ、これは自主規制が必要なんだと思うんですよね。最近では、法律はハードローと言って、他の自主規制などはソフトローと言うんですけれども、みんなでやっぱりきちっと消費者に情報を伝えていく活動、いわゆる任意の表示というのが必要になってくると思います。」

 

辛坊「素朴に、消費者には”知る権利”があるだろう、という気はいたしますが。」

 

 

専門家が「安全性に問題はない」と仰っているので、我々はとりあえず信じるしかないですけれども、気になる人はなるだろうから、メーカーさんには自主的に表示をしてほしいなとは思いますね。

 

------------------------------------ 

 

これとは関係ないけど、もう一つ。健康に関連する話。

芸能人が拡散する「血液クレンジング」に批判殺到 「ニセ医学」「誇大宣伝」指摘も

採取時にはどす黒い色をしていた血液が、オゾンと反応することで「一瞬で鮮やかな赤に変色」するという。

 

黒いものが鮮やかな赤に変わっちゃうと直感的に「きれいになった」と感じちゃうよね。でも、

血液の色が黒いけど大丈夫? | 医療法人社団 玲瓏会 金町中央病院

 

静脈から採った血液が黒いのは当たり前。そして、

オゾンってなに?|株式会社IHIアグリテックの環境機器

 

オゾンは酸素からできていて酸素に戻るもの。なのでそれを注入した血液は、動脈を流れる酸素を含んだ血液と同じように赤くなるのも当然。

体の中で自然に行われていることを、わざわざ高いお金を払って時間を費やしてやっているんですね。そしてそれを世間に拡散させている芸能人。本当に体調が良くなったと錯覚しているのか、お金をもらっているからなのか、断言できませんけれどもw


また今日も、「何でも簡単に信じるな」という話になってしまいました(苦笑)