養生テープの真実
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各地に甚大な被害を与えて通り過ぎて行った台風19号。改めてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りし、行方が分からなくなっている方が一刻も早く無事見つかることを願いたいと思います。
私は四国なので今回は大きな被害はありませんでしたが、このような強力な台風が日本にやってくるのはこれが最後というわけではないので、今後の為にも防災に関する正しい知識は仕入れておきたいと思いますが、今回特に話題となり多く利用されたと言われるものが「養生テープ」ですね。
※養生テープとは
養生シート、フィルムを仮固定してきれいに剥がせる粘着テープです。
株式会社モノタロウ様より
※(作業用語の)養生とは
建築・引越しなどの作業中に、先に完成した部分など作業の対象物の周辺物を汚損や傷から護ったり、コンクリート施工などで作業対象物が順調に望みの状態になるようにあらかじめ手を打っておくこと。
さて、この養生テープですが、何のために使うのでしょうか? また、どのように使用するのが正しいのでしょうか?
今回よく言われたのが「貼ると窓ガラスが割れにくくなる」というもの。私も最初は「補強されるんだからそうなのかな」と思っていましたが、後になって「割れにくくなるわけではない」「むしろ割れやすくなる」なんていう説が聞こえてきました。
ちょっと! 割れやすくなるんだったら貼らないほうがいいじゃない! どっちが真実なんでしょうか?
「割れやすくなる説」は、第2次世界大戦中の論文やアメリカ政府の発表などであるらしいが、戦中のほうは条件が限定的であったり、アメリカのほうは私が英語読めないので(苦笑)よくわからない。
こんなツイートも見つけたが、
「ガラスに養生テープを貼ると、応力集中して、かえって割れやすくなる」という話、「そんな馬鹿な…」と数値計算してみたが、案の定、そんなことはなかった。
— まる (@yas_mal) October 11, 2019
(図の色付けはミーゼス応力で、カラーレンジは同一。最も応力が強い赤色が、テープあり計算では薄くなっている) pic.twitter.com/3FYEYZpMeP
確かに赤い部分は小さくなっているようだが、この図をどこから拾ってきたかが不明なのと、いずれにしても大きな差ではなさそうだ。
現時点で一番確かそうな情報が以下のもの。
養生テープ過信は禁物 窓ガラスの割れ防止ではなく飛び散りにくくなる効果 台風19号の備えは11日中に|BIGLOBEニュース https://t.co/yN3KYss7JT pic.twitter.com/2SDRokEf3V
— BIGLOBEニュース (@shunkannews) October 11, 2019
窓ガラスを扱う業者さんが実験をしたり、メーカーさんが言っていることなので嘘ではないだろう。「養生テープを貼ったからといって割れなくなるわけではなく、割れた破片が飛び散りにくくなるだけ」というのが正解のようだ。
破片の飛散防止が目的ということで、窓の内側に段ボールやブルーシートを張った人もいたようだ。確かにそのほうがより確実だが、ブルーシートや大きな段ボールを用意したり、もしくは複数の段ボールをつなぎ合わせたりするのは大変なので、より手軽な方法として養生テープが選ばれたのだろう。
最後に、「雨戸があるのに養生テープを貼って雨戸を閉めていない家がある」なんていう写真もツイッターに上がっていた。
頑丈な雨戸があればそれを閉めれば、窓ガラスが割れるなんてことはまず無いでしょう。(最近は雨戸がない住宅が増えているから、皆さん心配になって養生テープの使用を考えたのです。)
「念には念を」と思って養生テープを貼り、作業が終わったばかりでまだ雨戸を閉めていなかっただけで、後で閉めたのかもしれませんが。
もしかしたら雨戸があることを忘れていたとか、何のために養生テープを貼るのかわかっていなかったのかもしれない(苦笑)
いろんな情報が飛び交いますが、慌てて飛びつかず、よく吟味して取り入れたいものだと改めて思いました。